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定期借地権付きって何? 購入のメリットとデメリットをわかりやすく解説します

不動産購入

市川 貞弘

筆者 市川 貞弘

不動産キャリア8年

お客様に、頼んで良かったと思って頂けるよう、「誠実に」「正確に」「迅速に」を心掛けて日々営業をさせて頂いております。

定期借地権付き建物の購入は、同じ予算でも広さや立地条件を重視しやすい一方で、契約期間の終了や将来の資産価値など、慎重な検討が欠かせない選択です。
そもそも借地権とは何か、普通借地と定期借地の違いを押さえておかないと、本当のメリットとデメリットは見えてきません。
また、どういう人が向いているかを理解しておくことで、住まい選びの失敗を防ぐことにもつながります。
この記事では、借地権の基礎から、定期借地権付き建物の購入を検討する際に知っておきたいポイントまで、順を追ってわかりやすく解説します。
読み進めながら、自分のライフプランに合う選択肢かどうか、じっくり整理してみてください。

借地権とは?普通借地と定期借地の基礎

借地権とは、他人が所有する土地を借りて、その土地の上に建物を所有し利用するための権利のことです。
土地そのものの所有権は地主が持ち続ける一方で、借地人は契約期間中、地代を支払いながら土地を使うことができます。
土地所有権が「土地を自由に処分できる権利」であるのに対して、借地権は「契約で定めた範囲で土地を使う権利」に限られる点が大きな違いです。
この違いを踏まえることが、普通借地権や定期借地権付き建物の仕組みを理解する第一歩になります。

普通借地権は、借地借家法に基づく標準的な借地権で、存続期間は原則として最初が30年以上と定められています。
期間満了時には、借地人から更新の申入れがあり、なお土地上に建物がある場合には、正当事由がない限り契約が更新される仕組みです。
更新後の期間は1回目が20年以上、2回目以降は10年以上とされ、長期にわたり土地の利用が継続しやすい制度になっています。
また、契約が更新されずに終了したときには、借地人は地主に対して建物などを時価で買い取るよう請求できる建物買取請求権があり、これにより借地人の投下資本を保護する仕組みが設けられています。

これに対して定期借地権は、あらかじめ定めた一定期間で必ず契約が終了し、更新や期間延長を行わないことを特徴とする借地権です。
一般定期借地権は、存続期間を50年以上とし、更新を行わず、建物の再築による期間延長や建物買取請求権を認めない旨を契約で定めるタイプです。
事業用定期借地権は、主として事業用建物のために10年以上50年未満(制度資料では10年以上20年以下などの整理もあります)の期間で設定されるもので、居住用には使えない点が特徴です。
さらに、建物譲渡特約付借地権は30年以上の期間を定め、一定時点で建物を地主に譲渡することを条件に、その後は借家人として住み続けることが想定された仕組みであり、いずれの定期借地権も期間満了で必ず土地を返還するという点で普通借地権と大きく異なります。

項目 普通借地権 定期借地権
主な目的 長期継続利用 期間限定利用
契約期間 原則30年以上 一般は50年以上
契約の更新 更新制度あり 更新しない特約
建物買取請求権 原則あり 排除特約が基本
主な類型 普通借地権 一般・事業用など

定期借地権付き建物を購入する主なメリット

定期借地権付き建物は、土地を購入せずに建物だけを取得するため、購入総額を抑えやすいことが大きな特徴です。
国土交通省の資料では、定期借地権住宅の購入価格(建物価格と一時金等の合計)は、所有権住宅と比べて概ね「約40%~70%未満」の水準に収まる例が多いとされています。
そのため、同じ予算でも頭金や月々の返済負担に余裕が生まれやすく、現金の手元資金を残したい方にとって検討しやすい仕組みといえます。
また、権利金や保証金など一時金の設定方法によっても初期費用の負担感が変わるため、契約条件の確認が重要です。

さらに、土地を購入しない分の費用を建物のグレードや広さに振り向けやすい点も、定期借地権付き建物ならではの利点です。
同じ予算で所有権の物件を探すと、建物面積や設備仕様を妥協せざるを得ない場面でも、定期借地権であれば選択肢が広がる場合があります。
結果として、居住性や快適性を重視するご家庭にとって、合理的な選択肢となり得ます。

また、定期借地権は契約期間と終了のルールが法律上明確に定められているため、将来の見通しを立てやすいことも特徴です。
一般定期借地権は存続期間を50年以上とすることが必要とされており、期間満了時には更新がなく、契約終了時の建物の扱いもあらかじめ合意しておく仕組みになっています。

メリットの種類 内容 向いている人の例
初期費用の軽減 所有権より総額抑制 頭金を抑えたい人
住環境の充実 同予算で広さや設備向上 快適性重視の家族
将来設計のしやすさ 契約期間明確で計画立案 老後や相続を意識する人

定期借地権付き建物購入のデメリットと注意点

定期借地権付き建物では、契約で定めた期間が満了すると、借地権は原則として更新されずに終了し、土地を地主に返還する義務があります。
このとき建物については、一般定期借地権では借主が建物を取り壊して更地にして返還するのが基本とされています。
一方で、建物譲渡特約付借地権の場合は、一定時点で建物を相当の対価で地主に譲渡する仕組みが利用されることもあります。
契約終了時の建物の扱いは、借地借家法や国土交通省の整理資料で類型ごとに異なるため、自らの契約がどのタイプかを事前に確認しておくことが重要です。

次に、資産性の観点から見た定期借地権の限界にも注意が必要です。
定期借地権では、期間満了時に土地を返還するため、土地の値上がりがあっても、その値上がり益を借地人が享受できない点が代表的なデメリットとされています。
また、将来の地代については、契約内容に基づき改定が行われる可能性があり、長期にわたる負担水準を見通しにくい場合があります。

さらに、売却や資金調達の場面でも、定期借地権付き建物ならではのハードルが生じやすいとされています。
借地権の残存期間が短くなるほど、購入希望者が限られやすく、売却価格にも影響が出るおそれがあります。
また、金融機関が担保評価を行う際には、借地権の種類や残存期間、契約更新の有無などが慎重に確認されるため、住宅ローンの条件に制約が生じる可能性があります。
そのため、購入前には、契約期間、地代の改定条件、契約終了時の建物の扱いなどを、公的機関の資料も参考にしながら丁寧に確認し、不明点があれば早い段階で専門家に相談しておくことが大切です。

確認すべきポイント 見落とした場合のリスク 事前に意識したい対応
契約期間と終了条件 想定より早い土地返還 満了時のスケジュール把握
終了時の建物の扱い 想定外の解体費用負担 譲渡特約の有無を確認
地代と改定のルール 将来の負担増加リスク 改定時期と方法の確認
売却時の制約条件 売却困難や価格低下 残存期間と需要を意識
住宅ローンと担保評価 融資条件の厳格化 金融機関への早期相談

定期借地権付き建物が向いている人・向いていない人

定期借地権付き建物は、土地を所有せずに一定期間だけ土地を借りて建物を利用する仕組みのため、どのような暮らし方を望むかで向き不向きが分かれます。
例えば、子どもの就学期間や定年までの期間など、住む期間のめどがはっきりしている人は、契約期間が限定されていても不安を感じにくい傾向があります。
また、購入時の総額を抑えながら利便性の高い場所や、広さにゆとりのある住まいを優先したい人にとっても、選択肢を広げやすい制度といえます。
一方で、長く住み続けたい人や、将来の売却・相続まで視野に入れている人は、契約満了時の扱いも含めて慎重な検討が必要です。

定期借地権付き建物が向いているのは、まず、住まいに「永続的な資産性」より「現時点での暮らしやすさ」を重視する人です。
土地を購入しない分、初期費用を抑えられるため、同じ予算でより広い住戸や利便性の高い環境を選びやすくなります。
さらに、転勤が多い人や、将来は別の地域で暮らす予定がある人にとっては、契約期間が定められていることが、住み替えの節目を明確にしてくれるという意味でメリットになり得ます。
終の棲家というより、人生のある一定期間を快適に過ごすための住まいを探している人に適した選択肢といえます。

これに対して、永住志向が強い人や、不動産を長期的な資産として残したい人には、定期借地権付き建物はミスマッチになりやすいです。
定期借地権は原則として期間満了時に更新がなく、土地は更地にして返還するか、建物譲渡特約がある場合でも、契約内容に沿った対応が求められます。
そのため、次世代に土地建物をまとめて承継させたい、将来の値上がり益も含めて資産形成したいといった希望とは、制度上の性格が合いにくいといえます。
さらに、売却を前提に考える場合や、長期間の担保として活用したい場合は、金融機関や買主側の評価も含めて、慎重に見極めることが重要です。

向いている人の特徴 向いていない人の特徴 検討時の主な着眼点
一定期間だけ居住希望 生涯同じ住まい希望 契約期間と満了時条件
予算重視で立地優先 将来の売却益重視 地代や更新不可の有無
相続より生活重視 不動産を長期資産視 建物の買取や譲渡条件

まとめ

定期借地権付き建物は、土地を買わない分初期費用を抑えつつ、同じ予算で広さや立地条件を優先しやすい選択肢です。
一方で、契約期間満了時には土地を返還し、建物の扱いも契約内容に従う必要があり、資産性や売却、住宅ローン面での注意も欠かせません。
一定期間の住まいとして検討されている方や、予算重視で住環境のグレードアップを狙いたい方には有力な候補になります。
当社では、不動産に関する疑問、相続に関する相談など。

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