
不動産相続で損しないための3つの税金対策とは?わかりやすく整理して解説します
身近な人から不動産を相続したものの、どの税金が関係するのか分からず、不安を抱えている方は少なくありません。
相続税だけでなく、登録免許税や不動産取得税など、実は複数の税金が関わり、それぞれで仕組みも納付のタイミングも異なります。
さらに、相続不動産の価値の考え方や、相続税の基礎控除を超えるかどうかによって、必要となる手続きも変わってきます。
そこで本稿では、不動産相続で押さえておきたい主な税金の種類と、その関係性を整理しながら、相続税を抑える対策の全体像まで、順を追って分かりやすく解説していきます。
まずは全体の仕組みを理解することで、自分の状況にどの税金が関係するのかを冷静に判断できるようになり、不要な不安を減らす一歩につながります。
不動産を相続した時に関係する3つの税金
不動産を相続すると、主に相続税・登録免許税・不動産取得税の3つの税金が関係します。
相続税は、被相続人の財産全体に対してかかる国税であり、相続人が取得した財産額に応じて負担する税金です。
登録免許税は、相続登記の申請時に登記所へ納める税金で、不動産の価額に一定の税率を乗じて計算されます。
不動産取得税は、相続などにより不動産を取得した人に対して一度だけ課される地方税であり、原則として取得後に都道府県へ納付します。
これら3つの税金は、発生する場面や納める先、計算の基礎となる金額がそれぞれ異なります。
相続税は、相続や遺贈により取得した財産の総額から基礎控除などを差し引いた後の課税価格に税率を適用して計算されます。
登録免許税は、相続による所有権移転登記の場合、不動産の価額に税率0.4%を乗じて算出するのが原則です。
不動産取得税は地方税法に基づき、原則として固定資産税評価額に所定の税率を掛けて計算される仕組みです。
また、不動産を相続した後は、固定資産税や都市計画税にも注意が必要です。
これらは毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して課される地方税であり、名義変更をしていなくても、実際に相続して所有している人が納税通知書を受け取ることがあります。
固定資産税評価額は、登録免許税や不動産取得税の課税標準としても利用されるため、評価額の水準を把握しておくことが重要です。
このように、不動産相続では一時的に発生する税金と毎年発生する税金の両方を意識しながら、全体の負担を整理して考えることが大切です。
| 税金の種類 | 主な役割 | 発生の場面 |
|---|---|---|
| 相続税 | 財産全体への国税 | 相続開始後の申告時 |
| 登録免許税 | 相続登記の手続費用 | 相続登記申請時 |
| 不動産取得税 | 取得に対する地方税 | 不動産取得後 |
| 固定資産税等 | 所有に対する毎年の税 | 毎年1月1日現在 |
相続税がかかるラインと基礎控除の考え方
相続税の対象となる財産には、現金や預貯金だけでなく、自宅や賃貸用の土地・建物などの不動産も含まれます。
国税庁の資料では、国内外の不動産や有価証券など、被相続人から引き継ぐ経済的価値のあるものが広く課税対象とされています。
そのうえで、不動産については相続税評価額を用いて価額を算出し、他の財産と合計したうえで相続税の計算に進みます。
このように「相続不動産の価値」は、遺産全体の中の一部として相続税の判定に直接影響する重要な要素になります。
相続税には「遺産に係る基礎控除額」が設けられており、一定額までは相続税がかからない仕組みになっています。
税務大学校の相続税法の基礎編などによると、この基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で求めます。
例えば、法定相続人が配偶者と子ども1人の合計2人であれば、基礎控除額は3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。
まずは遺産総額を把握し、次に法定相続人の人数を確認して、この算式に当てはめることが相続税の検討の第一歩になります。
基礎控除内におさまるかを簡単に確認するには、概算でも良いので遺産の全体像を数字にしてみることが大切です。
具体的には、不動産の相続税評価額の目安と、預貯金や有価証券などの残高を足し合わせ、債務や葬式費用など控除できる項目を差し引いてから、基礎控除額と比較します。
その結果、合計額が基礎控除額を少しでも上回る可能性があれば、国税庁が案内する相続税の申告要否判定コーナーの情報なども参考にしつつ、申告の必要性を検討することになります。
また、基礎控除内と思っていても、生命保険金や死亡退職金の一部が課税対象となる場合があるため、早めに全体を整理して確認することが重要です。
| 確認する項目 | 主な内容 | 基礎控除との関係 |
|---|---|---|
| 課税対象となる財産 | 不動産・預貯金・有価証券など | 遺産総額の土台となる金額 |
| 法定相続人の人数 | 配偶者・子など民法上の相続人 | 3,000万円+600万円×人数を計算 |
| 申告が必要なケース | 課税価格合計が基礎控除を超える場合 | 10か月以内の申告・納税が必要 |
相続不動産の価値をどう評価するか
相続で不動産を取得した場合、その価値は相続税評価額・実勢価格・固定資産税評価額の3つに分けて考えることが大切です。
相続税評価額は、相続税や贈与税を計算するために用いられる価額で、国税庁が定める評価方法に基づいて算出されます。
一方、実勢価格は売買市場で実際に取引されるおおよその価格を指し、固定資産税評価額は固定資産税や不動産取得税など地方税を計算する基礎となる価額です。
それぞれ目的と算出方法が異なるため、「同じ不動産でも金額が違う」理由を理解しておくことが重要です。
土地の相続税評価額は、主に路線価方式と倍率方式のどちらかで計算されます。
路線価方式は、路線価が定められている地域の土地について、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの路線価に、形状などに応じた補正率を掛け、さらに面積を乗じて求める方法です。
一方、倍率方式は路線価のない地域で用いられ、固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を乗じて評価額を計算します。
建物については、固定資産税評価額を基礎として相続税評価額を求める取扱いとされており、土地と建物で評価の考え方が異なる点にも注意が必要です。
また、被相続人が居住や事業に使っていた宅地については、「小規模宅地等の特例」により相続税評価額を大きく減額できる場合があります。
例えば、被相続人の居住の用に供されていた宅地等で一定の要件を満たすものは、最大330平方メートルまで評価額の80%が減額される制度があります。
さらに、事業用や貸付事業用の宅地についても、利用区分ごとに限度面積や減額割合が決められています。
ただし、この特例は宅地の利用状況や相続人の居住・事業継続など細かな要件の確認が必要なため、相続開始前後に早めに制度の内容を把握しておくことが重要です。
| 評価の種類 | 主な利用目的 | 算出の基本的な考え方 |
|---|---|---|
| 相続税評価額 | 相続税・贈与税の課税標準 | 路線価方式や倍率方式で評価 |
| 実勢価格 | 売買や資産価値の目安 | 市場での取引事例を基準 |
| 固定資産税評価額 | 固定資産税など地方税の基礎 | 自治体が評価基準で算定 |
不動産相続の税金を抑えるための主な対策
不動産相続の税金を抑えるためには、相続開始前からの準備がとても重要です。
まず、所有している不動産や預貯金などの財産を整理し、相続人ごとのおおよその取得額を把握しておくことが役立ちます。
そのうえで、自分の希望を明確にする遺言書を適切な方式で作成しておくと、相続人同士の争いを避けやすくなり、結果として有利な税制を選択しやすくなります。
さらに、相続時精算課税制度や生前贈与の非課税枠を利用するかどうかも、相続税の負担を左右するため、早めの検討が欠かせません。
相続が実際に発生した後も、選び方によって税額は大きく変わります。
代表的なものとして、一定の要件を満たす配偶者について相続税が大きく軽減される「配偶者の税額の軽減」、被相続人の居住や事業に使われていた宅地等については、「小規模宅地等の特例」によって相続税評価額が最大で80%まで減額される制度が設けられています。
これらの特例はいずれも相続税の申告が前提となり、原則として出相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告書を提する必要があるため、速やかな検討が大切です。
他にも、現金より「不動産」で持っておく、売却するなら「3,000万円特別控除(空き家特例」を活用する、などの選択肢もあります。
不動産相続の税金対策では、内容が複雑で、制度改正の影響も受けやすい点に注意が必要です。
このような事情から、相続が現実味を帯びてきた段階や、相続発生直後の早い時期に、税金や評価額について専門家へ相談し、適用できる制度や将来の見通しを確認しながら進めることが、結果的に税負担とトラブルの両方を抑える近道になります。
| 対策のタイミング | 主な内容 | 相談のポイント |
|---|---|---|
| 相続開始前の準備 | 財産の棚卸しと遺言書作成 | 相続人ごとの取得見込み整理 |
| 相続発生後の申告 | 配偶者の税額軽減の検討 | 将来の二次相続も踏まえた分割 |
| 評価減特例の活用 | 小規模宅地等の特例の適用 | 利用状況と面積要件の確認 |
まとめ
不動産相続では、相続税・登録免許税・不動産取得税の3つの税金と、固定資産税などの負担を総合的に考えることが大切です。
そのためにも、まずは「この不動産の価値はいくらか(今いくらで売れるのか)」を正しく把握する事が必要です。
「うちの実家。相続税はかかるのかな?」「相続したけど空き家になってる。いくらで売れるのかな?」 当社では、不動産の無料相談を随時、受け付けています。
不動産に関わるお悩み事、不安な事が少しでもあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
